1冊目。「春琴抄」谷崎潤一郎
===================
春琴抄
昭和26年1月31日
===================
春琴という盲目で三味線の師匠と、順従な下男であり恋仲であった
検校の話。
検校というのは、盲目の男性で、三味線などの芸を教える人のことです。
思考と官能がぴったりと重なり合い、信仰と絶望がなんらのひずみもなく美の陶酔に通じる人間の愛の世界を繰り広げたこの小説は、〜
検校は幼い頃から師匠の美しさに陶酔し、その容貌が醜くなった時に自らも盲目となります。
谷崎が後述しているように、この小説には川端泰成のような美しい情景描写や、三島由紀男のような激しい心理描写はない。
ですが、小説を読み終わると、検校と師匠の心理の移り変わりが思い出され、
何かに激しく生きた、人の人生を覗いた気になります。
谷崎純一郎ってこんな文章を書く人だったんだ。
あと、句読点がすごく少ないのも気になります。
他の近代文学ももっと読んでみよう。