2冊目。「午後の曳航」三島由紀夫
2冊目は、最近死の9ヶ月前に受けたインタビューが見つかった、三島由紀夫。
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午後の曳航(えいこう)
昭和43年7月15日
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船乗りのある男に憧れていた少年。
しかし男は母と結婚を考え、海の男が陸の生活に馴染んでいきます。
それは、少年にとって屈辱であり、現実からの挑戦でした。
少年は、仲間と男へ処刑をすることで、現実世界へ反撃を決意します。
三島由紀男は何冊か読みましたが、比較的さらさらと
流れていく感じがしました。
なんでだろう、独特の表現が少ないからなのかな。
解説では、
簡単な象徴と骨組みに分解されてしまう小説に、〜
しかしそういう人々は知らないのだ。有毒な現実を、清潔な記号と図式に解体させる視線以外に、この世界には語るべきものなどありはしないのだということを。
とあります。
学生の頃に、自分達は大人よりも優れている、と思うことってあった。
いつから大人になるのかっていうと、
やっぱり法によって境界線が引かれている、というのを
最後に突きつけるのはちょっとずるい気もしたけど、
そうだよなぁと思ってしまいました。
何だか少年に対する捉え方が似ている気がします。
山田詠美が久しぶりに読みたくなりました。